『吾妻鏡』にみる 日蓮の時代の 鎌倉の災害 に関するの記述


建長五年 (1253年)  癸丑 の条 ・・・
                                【日蓮;32歳】

  •  2月大 3日、辛亥 晴る。子の尅(午前0時頃)
  • 大風甚雨。雷電両三聲。……
  •  2月大25日、癸酉 震る。午の尅(午後1時頃)
  • 大地震。龍神動。……
  •  6月大10日、丁巳 震る。未の尅(午後2時頃)
  • 大地震。近頃比類なし。また小選しばらくあって小動一両度。
  •  6月大13日、康申 小雨降る。
  • 地震の御祈として、御所において泰山府君祭りを行はる。為親朝臣これを奉行する。
  •  8月小16日、壬戌 午の尅(午後1時頃)
  • 甚雨。雷鳴両三聲。……
  •  9月大14日、己丑 雨降り
  • 甚雨。雷鳴数聲。……
  •  9月大16日、辛卯 晴る。
  • 地震。夜に入りて小雨そそくぐ。……
  • 12月大 8日、壬子 子の尅(午前0時頃)
  • 若宮大路の下下馬橋の邊焼亡す。前浜の民屋を限り、その中間の人家、ことごとくもって災す。

建長六年 (1254年)  甲寅 の条 ・・・
                                【日蓮;33歳】

  •  正月小10日、甲申 晴る。
  • 西風烈し。卯の一点、濱風早く、町の邊焼亡し、名越の山王堂に至ねまで、人家数百宇災す。
    日出以後に火止る。焼け死ぬる者数十人と云々。……
  •  4月大 4日、丙午 晴る。巳の尅(午前10時頃)以後雨降る。
  • 亥の尅(午前11時)、殊なる御願によって天地変災祭を行う。為親朝臣これを奉行する。……
  •  7月大 1日、辛丑 
  • 甚雨暴風。人屋転倒し、家穀損亡す。古老云はく、廿年来かくのごときの大風なしと云々。
  •  9月大 4日、葵卯 
  • 降雨大風。巳の刻休止す。連日の雨に国土損亡すの間、止雨の御祈を行う。
    前浜において七瀬ななせはらへあり。……
  • 10月大 4日、葵酉 快晴。
  • 戌の刻(午午8時)、にわかに甚雨。雷鳴・霰相交はる。暁更にまた雷鳴数返耳を驚かすものなり。
  • 11月小18日、丁巳 震る。酉の尅(午後6時頃)
  • 大地震。
  • 12月大25日、葵巳
  • 夜に入りて、右大将家の法花堂震動す。。

建長八年 (1256年)  丙辰   (10月5日、康元元年となす。) の条 ・・・
                【日蓮;35歳】

  •  6月小 7日、丁寅 雨降る。
  • おおよそ今年は大雨洪水ほとほと例年に越え、寒気またもって時ならず、しょ信ならず。…
    ……天下泰平の御祈祷を行はるるところなり。去んぬる嘉喜二年夏、涼気冬天のごとく、6・7月両月の間、霜雪降り、
     8月大風す。翌年国土飢饉ききんし、民間傷死す。しかうして今時節調ととのはず。つつしまざるべけんや。

  •  6月小14日、葵酉 晴る。巳の尅(午前10時頃)。
  • 光物見ゆ。長五尺余。その体初めは白鷺に似たり。後は赤火のことし。その跡白布を引くがことし。
    もっとも奇特といひべし。本文見ゆるところありといえども、本朝においてはその例なしと云々。…
     7月12日 康子 去ぬる6月14日、光物男山に見ゆるの由、別当これを申す。仙洞より御尋ねあるのところ、司天等
     伺ひ見ざる由を申すによって、同じく石清水よりその図を注進せしむと云々。

  •  8月小 6日、甲子。
  • 甚雨大風。河溝洪水し、山岳大いに頽毀たいきして、男女多く横死すと云々。
  •  8月小15日、葵酉 
  • 小雨降る。北風激い。今日、鶴岡八幡宮の放生会なり。将軍家御出。
    申の尅、遷御の後、六波羅の飛脚参着す。前将軍入道前大納言家、去る11日、御痢病によって薨御の由。これを申す。
  •  9月大 1日、戊子 震る。
  • 将軍家の御悩は赤斑瘡あかもがきなり。…… この事当時流布し、諸人これを免れず。
  • 11月大 3日、康寅。
  • 相州(時頼)、赤痢病を煩はしめたまう。
  • 11月大18日、乙巳 陰る。
  • 申の刻(午後5時頃)、雨降る。雷鳴数聲。
  • 11月大26日、葵丑 夕に雨降る。
  • 寅の剋、名越焼亡。
  • 12月小11日、戊辰 晴る。
  • 亥の剋(午後10時頃)、右大将家(頼朝)の法花堂の前焼亡。北風激しく吹き、勝長寿院ならびに弥勒堂・
    五仏堂の塔、ことごとくもって災ず。
  • 12月小19日、丙子 晴る。
  • 戊の刻(午後8時頃) 雷鳴数聲。。

康元二年 (1257年)  丁巳   (3月14日、正嘉元年となす。) の条 ・・・
                【日蓮;36歳】

  •  5月小 1日、乙卯 陰る。
  • 卯の剋(午前7時頃)、日蝕、正見せず。丑寅。御祈。
  •  5月小18日、壬申 陰る。
  • 子の剋(午前0時頃)、大地震。
  •  7月大 1日、葵丑 天晴る。日中小雨灌ぐ。
  • 炎旱の間、加賀法印雨を祈りたてまつる事、昨日七ケ日に満つと云々。
  •  7月大 5日、丁巳 甘雨下る。
  • 去ぬる二日より若宮別当僧正、祈雨の法を修せらると云云。
  •  7月大 8日、康申 天晴る。
  • …… 祈雨の法を奉仕するの後、5日より雨下る。同6・7両日は甚雨なり。

  •  8月小 1日、葵未 晴る。
  • 戊の刻(午後8時頃)、大地震
  •  8月小23日、乙巳 晴る。。
  • 戊の刻(午後8時頃)、大地震。音あり。神社仏閣一宇として全きことなし。
    山岳頽崩、人屋転倒し、築地皆ことごとく破損し、所々地裂け、水湧き出づ、中下馬橋の邊、地裂け破れ、
    その中より火炎燃え出づ、色青しと云々。
  •  8月小25日、丁未 雨降る。
  • 地震小動五六度。 … 地震によつて御祈祷を致すべきの由、 …

  •  9月大 4日、乙卯 小雨降る。
  • 申の剋(午後4時頃)、地震。去る23日の大動以後、今に至るまで小動休止せず。
    これによって、為親朝臣、天地災変祭を奉仕する。 … 
  •  9月大24日、乙亥 晴る。
  • 地震によつて、御所南方・東方の築地崩るるなり。
    来月1日、大慈寺供養以前に築地せらるべきや否や、その沙汰あり。

  • 10月大13日、甲午 天晴る。
  • 夜に入りて、雷電霹靂へきれき終夜に及ぶ。
  • 10月大15日、丙申 朝雨降る。
  • 甚雨雷鳴す。丑の剋(午前2時頃)に地震。今日、雨の隙をもつて、御所の南庭において相撲を覧る。
  • 10月大16日、丁酉 晴る。
  • 月蝕正見。4分。御祈。

  • 11月小 8日、巳未。
  • 大地震。 去ぬる8月23日のごとし。
  • 12月大22日、葵酉
  • 丑の剋(午前2時頃)、若宮大路焼失す。藤次郎左衛門入道が家失火す。花山院新中納言・陸奥七朗・下野前司・内蔵殿頭・
    式部大夫入道が宅・壱岐前司・伊豆太郎左衛門尉・前縫殿頭文元等が亭ことごとく災す。田楽辻子に至りて、火止まる。
 日蓮此の頃、天変地変に疑問をもち、研究をやり直す。 ⇒ 3年後、1260年に『立正安国論』を作成する。

正嘉二年 (1258年)  戊午   の条 ・・・
                                【日蓮;37歳】

  •  正月大17日、丁卯 曇る。
  • 丑の尅(午前3時頃)、秋田城介泰盛が甘縄あまなはの宅失火す。
    南風しきりにあおぎ、薬師堂の裏山を越えて寿福寺に至る。惣門・仏殿・庫裡・方丈巳下、郭内くるはない一宇を残さず。
    余炎、新清水寺・窟堂いはやどうならびにその邊の民屋、若宮の寶蔵、同別当坊等を焼失す。

  •  3月小 6日、丙辰 。
  • 甚雨。北風激しく吹く。
  •  3月小20日、庚午 。
  • 終日甚雨。

  •  4月大22日、辛丑 。
  • 申の尅(午後4時頃)、地震。
  •  4月大25日、申辰 小雨灌ぐ。
  • 勝長寿院の塔に九輪を上ぐ

  •  8月大 1日、丁丑 。
  • 暴風烈しく吹き、甚雨沃るがごとし。昏黒、天顔快晴。諸国の田園ことごとくもって損亡すと云々。
  •  8月大28日、申辰 晴る。
  • 戌の尅(午後8時頃)、けい惑、南斗第五星を犯す。同時に大流星、いぬいよりたつみに至る。

  •  9月小 2日、戊申 。
  • 終日終夜雨降る。暴風特に甚し。
  • 10月大16日、辛卯 朝晴る。
  • 巳の尅(午前11時頃)以後、甚雨洪水。屋宅流失し、人溺死す。
    午の尅(午前12時頃)、晴に属す。子の尅(午後12時頃)、月蝕。正見せず。

正元二年 (1260年)  庚申   (4月13日、文応元年となす。)   の条 ・・・
                【日蓮;39歳】

  •  3月大14日、辛巳 晴る。
  • 日の色赤し。将軍家中巳ちゅうしの御祓、為親朝臣これを奉仕する。…
  •  3月大20日、壬午 。
  • 日の色赤し。ただし天くもり紅霞厚きが故にママて、夜に入りて朧月特に晴る。、
  •  3月大25日、壬辰 。
  • 卯の一点、大地震。陰陽道の輩、勘文を和泉前司行方に付す。

  •  4月大 6日、壬寅 晴る。
  • 去季きょねん冬のころより、時行流布じきやうるふの間、祈請きせいせらるべきの由、諸寺に仰せらると云々。
  •  4月大29日、丙寅 。
  • 丑の尅(午前2時頃)、鎌倉中大焼亡。長楽寺の前より亀谷の人屋に至ると云々。

  •  6月大 1日、丁酉 。
  • 疾風暴風、洪水。河邊の人屋大底たいてい流失す。山崩れ、人多く磐石ばんじゃくのために圧され死ぬ。
  •  6月大 5日、辛丑 雨降る。
  • 止雨の御祈を行はる。安祥寺僧正良瑜りょうゆ一宇金輪の法を修す。
  •  6月大 7日、葵卯 雨降る。
  • 未の尅(午後2時頃)、晴に属す。去月16日より霖雨休まず。今日たまたま晴を迎ふ。
    これひとへに法験の致すところか。
  •  8月大 5日、庚子 晴る。甚雨。
  • 申の尅(午後4時頃)、大風。人屋多くもって破損す。
    戊の尅(午後8時頃)、風休む。地震。