昭和五年、金沢文庫に伝えられていた仏教書の奥書から「佐介文庫」の存在が見出されて、 明らかになった。 佐介文庫は、「松谷(まつがや)文庫」 又は 「佐介松谷文庫」 とも言われている。 金沢文庫とほぼ同時代の創設と推察出きるが、 創設者・所在位置・規模・存続期間等については、 詳らかではない。 然し おそらく 北条氏の一族である 佐介氏が、その邸内に寺院と文庫とを創設し、 その名を寺院と文庫名に当てたものだろう。 現代は此の地の辺りを「松ケ枝」 又は 「松ケ谷」と伝承あるところから 「松谷(しょうこく)寺」と「佐介(さすけ)文庫」は共に此の付近に存在しただろうと推定することが出きる。 昭和十五年三月 建 鎌 倉 町 青 年 団 |