大蔵幕府跡遠望・古写真集「明治時代」
【ありし日の大蔵幕府跡】
【写真;八幡義生氏所蔵】

  明治20年代のものと思われます。
  地域一帯を俯瞰したものは珍しく、往昔の幕府の規模を想見するよすがになる写真であります。
  明治26年にこの辺りを訪ねた時の文章があります。
  『頼朝の館の跡あり、方六町ばかりあるべし。今は麦生となれり。
  頼朝以下三代の将軍、凡40年が程、政ごたせしところなり
  ここを過ぎて大倉山に上り、頼朝の墓に詣づ、墓の反別八畝二十歩というに垣しわたして、
  その中に五重の石塔をすえたり。掃除するものなきや、葛かつら這いまつわりて、なんとものさびしげなり。
   …略…』
【「鎌倉江の島遠足の記」;佐藤 寛】

以上《「図録鎌倉回顧」(鎌倉市発行)による。》