画像集・  文覚上人  

 文 覚 上 人 像 ( 京 都 ・ 神 護 寺 ) 
文覚上人の画像(京都・神護寺)
《 出典 「頼朝と鎌倉文化」 佐野美術館 編集・発行  》
形状
絹本着色

縦;121.2  横;110.6

鎌倉時代、十三世紀






 この画像は右手に印を結び、左手に念珠を執って坐す上人の姿を描いている。
 上方には飛鳥模様のある色紙型を置いているが、賛文等は記されていない。
 全体に比較的太い線で象形され、衣は墨隈を用いた伝統的な画法により、相貌も大づかみに表せらている。
 画絹の左右にいくらかの切り縮めはあるものの、画面一杯に描かれた堂々とした姿には、若き日の情熱的
 行動や出家後の荒行、また精力的な神護寺復興活動など、『平家物語』諸本の伝える荒法師を彷彿とさせ
 るものがある。
 本像は『神護寺略記』阿弥陀堂条に「文覚上人真影一鋪 右京権大夫隆信筆」と記されているものに当る
 可能性がある。 けれども、筆者については、似絵の画家である隆信をこうした記念的大像の筆者とする
 には無理があり、別に神護寺で仏画制作を行っていた宅間俊賀とする説もあるが、断定は困難である。
                                        (若杉準治 記)
 
⇒ 【人物説明】に戻る」

    ◇ 文 覚 像 い ろ い ろ

相模大山不動の文覚像

栃木の定願寺の文覚像


文覚上人屋敷迹のトップページに戻る