絹本著色 縦;64.0 横;38.0 鎌倉時代作
図上の色紙形は紅白に塗りわけ、そこに
『 □□□□蓮華経 □□□自西流東 門□如始西空末 五面自東入西朝 □似出東天 』 と賛画が書かれている。
この画像は、若々しく、また瞑想的な面ざしをした読経像である。
像主は床上に坐し、床前に経机並びに卓を置き、傍らに小さな磬を置き、机上には法華経開結十巻を並べ日蓮は其の内
巻六を披見する相である。
本図は院内の鏡ケ池に映る日蓮の姿を写したという伝承をもつところから「水鏡御影」と呼ばれるが、壮年時代の端正
な姿を写したもので、やや張った顎は妙法華寺とも共通の特徴をよく捉えている。
京都 要法寺本などの原本となったものと思われ、日蓮の多年にわたる行動的な意志とは別の深い思索を表わして注目
される。 (三山 進 記 より)
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