【 木造彩色 江戸時代 大 明 寺 ( 横須賀市 三浦 ) 】
当山本堂の本尊、一塔両尊の前方中央に安置されている像である。
像高;77.1糎。僧網衣に袈裟、横被を着け、両手で法華経の経巻を開く読経像で、通時は上から実際の衣・袈裟を着付けている。
寄木造で玉眼篏入、彩色仕上げとする。 構造は頭部・体部とも前後矧ぎを基本としている。
像背面に墨書で 『御内□□ 相州三浦金谷山大明寺廿二世 一妙院日□(花押) 元禄七(1694) 甲戌太歳 六月十三日
仏師□□ 三橋□□ 』 の銘があり、また寺蔵文書には 「三橋左京作」の消えた部分の仏師名を補う記述がある。
これより本尊は当寺二十二世日□の代、元禄七年(1694年)に、鎌倉佛師三橋左京により造像されたことが判明する。
三橋左京はこの時期の代表的な鎌倉仏師のひとりであり、本尊のやや硬い彫技ながら日蓮聖人の個性をよく表現し、等身大の
像を無難にまとめ上げた技量は評価に値する。
近世の日蓮聖人像は小型化の傾向が強くなる中、本格的な基準作として重要である。
(薄井和雄学芸部長 解説 により)
|