【 木造彩色 室町時代 ( 永禄七年 ) 信 隆 寺 ( 神奈川県 茅ヶ崎市 ) 】
本像は僧網衣に袈裟、横被を着け、右手に笏、左手に経巻を執る説法像である。
寄木造で玉眼篏入、彩色仕上げとする。
像高は42.0糎。 現在、後補の彩色に覆われている。人形化の進んだ像であるが、面貌は日蓮聖人らしい、強い表情がよく
しめされている。
像内の背面に墨書があり「八月十三日 法主日□坊 南無妙法蓮華経 願主仏国寺善行坊 日受 敬白
干時永禄七年甲子」 とある。これにより本像は永禄七年(1564)に、当寺の近くにあった仏国寺の像として制作されたものと考
えられる。
仏国寺は廃寺となっているので、いつの頃か同宗の信 隆 寺に移されたものと見られる。
(神奈川県立歴史博物館 薄井和雄学芸部長 解説 により)
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