日蓮聖人・画像特集N

【 日 蓮 聖 人 像  】   ( 誕 生 寺 )
日蓮聖人像(誕生寺)

         《 出典 『鎌倉の日蓮聖人 中世人の信仰の世界』神奈川県立博物館 特別展図録
                                 神奈川県立歴史博物館編集 日蓮宗神奈川県第二部宗務所発行        (平成21年10月17日)発行  》

      【 絹本著色   一幅  室町時代   誕 生 寺 ( 千葉県 鴨川 )  】

日蓮は、僧網衣・七条袈裟・横被を着用して座し、右手に檜扇、左手に経巻をとる説法姿である。

手前の経机に法華経並びに開経・結経のうち九巻、小ろう子と柄香炉が置かれ、巻五を手に取る。がっしりとした

からだをとる、壮年期の日蓮画像である。

 本図は、画面左下に朱印一顆と共に身延山久遠寺十七世 日新(1535〜1592)の自署・花押が記され、さらに二行にわたり

墨書があるが、判読は困難である。ひようし背銘によれば、「吉定斎日現授与之/天正九年卯卯月吉辰」と記されており、

これに相当しょう。  吉定斎日現は同寺の信徒であろすが、未詳である。

右上部にも六行の墨書が確認され、判読される文字から法華経如來神力品の一節であることがわかり、ひょうし背銘に

「神力品四句ノ要法」と記されてることと対応している。

                          (身延山大学教授 寺尾英智 解説 による)



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