【 木造彩色 室町時代 常 顕 寺 ( 神奈川県 茅ヶ崎市 ) 】
本像は僧網衣の像衣に袈裟、横被を着け、右手に笏、左手に経巻を執る日蓮聖人に通例の説法像である。
像高は29.3糎。 通時は像に実際の衣・袈裟を着付けて安置されている。
寄木造で玉眼篏入、彩色仕上げとする。
像の敷く上畳座の天板裏に 大永七年(1527)の年記と、小田原、徳乗坊、日盛(花押)などの墨書があり、これが本像の
制作時期をしめすものとみられる。
像は小ぶりながら、意思の強そうな日蓮聖人らしい面貌をあらわし、バランスの良い体部造詣や衣文のさばきなど優れた
彫技をしめす。 また先の尖った袖先の形など、日蓮宗肖像彫刻として古様であり、台座銘の大永七年と制作時期が
よく合致する。
(神奈川県立博物館 薄井和雄学芸部長 解説 により)
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